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豊中美術研究所 こども図画工作教室(児童画教室)

2002年 9月号
アトリエでのこどもたちの様子をご家庭にお知らせするため毎月1回発行している教室通信です。
(Web公開用に記事を再編集してあります)
●金曜クラス●土曜クラス(文字色を分けています)

2002.9.28 1番にやってきたりゅういちくんはひっつきむしのおもちゃでひとしきり遊ぶと、次々にやってきた子どもたちに遊び方を教えてくれました。私も来た子から順に工作と、草花の説明をしてどちらがやりたいかみんなに考えてもらいました。すすきは見たことがないという子がほとんどでした。幼稚園でお月見会をしたという子や給食にお団子が出たと話してくれる子がいました。りゅういちくんは工作を選択しました。虫は3匹作るといって着々と自分のペースで仕上げていきました。ストローをハの字につけたり、そこに糸を通していくのは一人でできていました。糸がほつれやすいので最後のビーズ通しだけ手伝いました。こうきくんは、のりをつけすぎてしまったり、手にのりがついているためにセロテープがうまく扱えなかったりで時々「できないよー、やってよー」とひっくりかえったりしていました。「だいじょうぶ、だいじょうぶ、落ち着いて」と声をかけて、少しづつ仕上げていけるように励ましました。がんばって3連の引っ付き虫を作りました。出来上がったときは嬉しそうに何度も何度も遊んでいました。まさきくんと、りょうちゃんは絵を選択しました。どちらか決めかねている子もいたのでイメージが広がればと思い「14ひきのおつきみ」いわむらかずお作、童心社の絵本を読みました。工作していた子も聞いてくれていました。まさきくんは大きなお月様を黄色で描き、手、目、口を描いていきました。両手には団子をたくさんもっています。周りには木や草も描きました。夜の雰囲気を出そうと選んだ色が黒だったので混じったところが濁ってしまいましたが、想像力あふれる楽しい絵に仕上がりました。りょうちゃんもお月様から描きました。黄色に白を混ぜたパステルカラーのお月様です。お供え物のお団子は葉っぱに乗せることにして、どんな葉にするかいろいろ考えました。葉脈やふちのぎざぎざを意識して描くようにお話しながら進めました。夜の色はまさきくんと同じ黒を選びました。私としては黒以外を選んでほしかったのですがあえて口を出さず見守っていきました。りょうちゃんは黒にも少し白を混ぜていました。全体が乾いてからお団子も描いていきました。上部が少し重たくなったので星を描いてみようかと誘うと「星はかけない」といいます。そこでマーカーのふたを利用してスタンプで星を描いていきました。なおきくん(N)はカブトムシを作ることにしました。でも角が描けないというので、図鑑を見てくわがたとどうちがうのか見比べてお話しながら一緒に描いていきました。色も丁寧に塗り、根気よく作業していました。ゆいちゃんとななこちゃんは虫の代わりにうさぎをモチーフにしました。耳や手を画用紙で作りました。ゆいちゃんははさみが時々うまく扱えなくなるので一緒に切り方を練習しました。ななこちゃんはうさぎの頭のリボンなど細かいところにも気を配って作っていました。今日のクラスの子はりゅういちくん以外はビーズ通しが難しかったようで私が通しました。糸の選択が悪かったようです。透明のテグスを使えば通しやすいし、遠くから見ると何もないところを上っていくように見えて面白いかもと後から思いました。今日、使用したのは水糸です。カラーがきれいなのとすべりがいいので選びました。単純なおもちゃなのですがひとりで作るとなると絵の要素や細かい手先も必要で、結構時間がかかりました。りんちゃんは数日前から描き進めていた「家の中」の絵を仕上げて、その後は魚の絵を描いていました。図鑑を見ながら細かいタッチで黙々とひとりで描いていました。
2002.9.27 絵のモチーフは秋の草花ですすき、おみなえし、われもこう、ききょう、等を用意していました。工作はひっつき虫という糸を伝って上る割とポピュラーなおもちゃです。最初にあつしくん、続いてしゅんくんがやってきました。今年まだぶどう狩りをしていなかったしゅんくんは窓の向こうにぶら下がっているぶどうを見つけて、さっそくあつしくんとふたりでぶどう狩りをしました。その後、前回やった手形遊びがよほど気に入ったらしく「今日もやろう」とふたりでさっさと絵の具の準備を始めて製作していました。しゅんくんはいつもいい色を作るので感心します。後半はほかのこどもたちの工作の様子を見てかぶとむしの飾り物を作りました。その後また絵の具に戻りベイブレードを描きました。あつしくんはすっかり慣れてくれてわたしに手形を押し付けようとして反応をうかがったりして来ます。色作りは早いのですが水の調整がうまくいかず、かすれたりするのでそこのところだけ前回と同じように説明しました。後半、アイデアマンのあつしくんは見本の虫を見て「僕はカブトムシをつくろう」と言って一生懸命作っていました。工作の後、太陽の絵も描いていました。ゆりちゃんは虫の模様をいろいろと考えて作っていました。糸の先がほつれやすく難しいのですが根気よく糸にビーズをとおしたものをたくさん作っていました。なおきくん(T)はしゅんくんをまねて、絵の具で手から腕までをまっかにぬりたくって喜んでいました。画用紙に押したときには乾いていて、あまりきれいな形にならなかったのですが本人は満足しているようでした。他の子どもたちが仕上げのビーズを通し始めると興味を持って糸にビーズを通し始めました。ビーズケースの中に残っていたタコ糸を見つけて集中して静かに黙々と作業していました。できあがったもので虫の飾りを作りました。ゆうりちゃんはだんごむしのおもちゃをつくりました。その後コスモスの絵を描きました。微妙な紫のような、ピンクのような色合いを苦心して作っていました。まゆちゃんは工作から始めました。模様の色合いなど考えて丁寧に作っていました。その後、桔梗の絵を描きました。でもちょっと時間が足りなくて途中で終わってしまいました。ひかるちゃんはひっつきむしのおもちゃを時間をかけて作っていました。ビーズを通すとき糸の端がすぐほつれてしまうのですが根気よく作業していました。久しぶりに顔を見せてくれたしょうくんはやる気満々で「むしさんを9ひきつくる」と張り切っていました。出来上がったものがチャンと動くかどうか試し遊びしているときはとても嬉しそうでした。
2002.9.14 「おっ1番や」と元気よくやってきたりゅういちくん、そしてこうきくん。工作をすることに決め、「ブーメランの色何色がいい?」とお互いに相談しながら作っていました。牛乳パックはなかなか硬く思うように切れませんが二人ともがんばって切っていました。りゅういちくんは一つ作って満足したのか今日は友達とお泊りするということをうれしそうに話してくれたり、りんごを食べたり、作ったブーメランピストルの試しうちをしていました。こうきくんは輪ゴム鉄砲、まとあて、ブーメランピストルと一つ一つ作っていきました。りゅういちくんと遊びながらもけっこうたくさん作っていました。りょうちゃんはブーメランピストルとまとあてを作りました。残った時間でさらにデザインを施していきました。まさきくんは輪ゴム鉄砲を選び、作りました。早くに出来たので男の子グループで一緒に遊んだり、りんごを食べたりしました。ななこちゃんは何をしようかと散々考えた挙句自由に描きたいと言って画用紙に鉛筆で絵と文字を細かく描いていました。何を描いているかは「ひみつ」とにっこりして言っていました。なおきくんはブーメランピストルを作って男の子グループで遊び、みんなが帰る頃からまとあてを作り始めました。お母さんが迎えに来るまで時間があったので輪ゴム鉄砲もできました。ゆいちゃんは輪ゴム鉄砲を作りました。その後まとあても作り、時間があったのでりょうちゃんと並んで仕上げのデザインをしていきました。振り替え出席のきおかちゃんは昨日作らなかったまとあてから作り始めました。ブーメランピストルは昨日も作ったけれどもう1度作りました。飛ばす練習を少ししてりんごを食べました。はるきくんは来た時から元気がなく「早く帰りたい、何もしたくない」と言います。工作や絵に時々誘ってみましたが「いや」といいます。みんながりんごを食べだすと「僕も食べたいと」と積極的になったので「じゃあ食べながらやりたいことを考えてね」と声を掛けました。食べ終わってからもしばらくじーっといすに座っていましたが、ふと気づくと鉛筆でりんごを描き始めていました。「色を塗ってみようか」と誘いましたが絵の具もクレヨンも使いたくないというのでりんごの赤だけ色鉛筆で塗ることにしました。今日は彼にはこれが精一杯の表現だったようです。私自身は教室では何を表現してもいい自由な空間という環境を提供する場と捉えています。絵を描いたり物を作ったりすることは自分を表現していくことです。こどもはとても素直なので気持ちがストレートに作品に表れやすいといえます。「今日は描きたくない」を表現したということを認めてあげることで本人自身が否定されずにすみます。描けないこと作れないことが悪いことなのではなくどうして描けない気持ちだったんだろうとこどもに寄り添ってやることが周りの大人に必要なことだと思います。体調が悪いときには大人でも絵を描いたりするのはしんどいものです。自分に自信を持ち、描きたい、作りたいと思えるような気持ちに持っていければと思っています。絵が上手に描けること、工作が上手に作れることが大事なのではなく自分はどうしたいのか、どんなことが好きなのか、それをどうまわりの人に伝えたいのかと自分から行動して気づいていくことが大切なことです。それは自分の人生を歩んでいく基礎となります。小さな人たちと関わるということはそういう基礎の部分を育てる責任があると思っています。
2002.9.13 きおかちゃんと今日から入会のあつしくんが最初にやってきました。工作はブーメランピストル、輪ゴム鉄砲、的あての材料を用意していました。絵のモチーフはりんごです。あつしくんは工作を選択し、器用な手先で速いペースで作り上げていきました。絵も好きだと言い、自由に描きたいというので画用紙を渡すと新幹線の絵を力強く描きました。色作りも上手でスポイトの使い方だけ説明しました。後半はしゅんくんといっしょに手形のはんこに夢中でした。きおかちゃんも工作から始めました。牛乳パックの硬いところは私が手伝いましたが、細かな作業のブーメラン作りはひとりで少しずつがんばって作っていました。りんごの絵は丁寧によく観察して描けました。3個並べた構図もバランスがよく、最後に折り紙をちぎって貼り絵技法でお皿を表現していきました。久しぶりに元気な姿を見せてくれたしゅんくんはブーメランを作ってから絵の具を出して色作りを始めました。どの色もセンスのいい色合いでどんな絵を描くのかなと思っていたら、いろんな数字を書いて外国のポスターのような感じでした。その後大好きな手形のはんこをたくさん作ってとても楽しそうでした。ゆりこちゃんは工作を選択しブーメランピストルと的あても作りました。的あてはくるくると回るように竹串とストローで細工するので時間がかかりますが根気よく作っていました。できあがると飛ばす練習をして、うまく当たると喜んでいました。なおき(Т)君はブーメランが上手に切れず、ばらばらになってしまったので切ったものを渡しました。クレヨンで色をきれいに塗って、下敷きとして渡した紙にも絵を描きだしたので後から描いた画用紙の絵と組み合わせました。途中でしゅんくんとあつしくんが手形はんこで絵の具を手に塗っているのがまねしたくなったようです。持っていたクレヨンを手に塗り画用紙にあてていましたが、残念ながらクレヨンでは色がのりません。絵の具でやってみないかと誘いましたが、たくさん来ていた弟妹さんたちと遊ぶほうが楽しくなってしばらく遊んでいました。最後のほうでは「りんごが食べたい」と言い、きれいに洗っておいしそうに食べていました。ゆうりちゃんとまゆちゃんはふたりならんで「絵を描くから紙ちょうだい」と積極的に描いていました。まゆちゃんはりんごを中心としていろんな果物を画面にちりばめた絵を1枚、もう1枚はりんごの木を描きました。終わってからりんごを食べました。ゆうりちゃんはりんごのきを丁寧に時間をかけて描いていました。背景も考えて1番最後までひとり描き続けていました。ひかるちゃんは何をしようかとじっくり考えて絵を描くことにしました。いつも一緒のゆりこちゃんやおねえちゃんたちと離れたところでりんごの木を描いていました。すぐ前では男の子たちがワーワーと楽しそうな声を上げて手形はんこをしていましたがたんたんと自分のペースで描いていました。

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