豊中美術研究所HOME美大受験講座絵画教室/デッサン教室児童画教室資料請求

<11月-MENU-9月>

豊中美術研究所 こども図画工作教室(児童画教室)

2002年 10月号
アトリエでのこどもたちの様子をご家庭にお知らせするため毎月1回発行している教室通信です。
(Web公開用に記事を再編集してあります)
●金曜クラス●土曜クラス(文字色を分けています)

2002年10月

11日(金)
ゆうりちゃんと、まゆちゃんが前回花の絵が途中で終わってしまったので今回もききょうとコスモスをモチーフに用意しました。そしてまだ赤ちゃんのミニうさぎもモチーフです。最初にやってきたしゅんくんとあつしくんはエネルギーがあり余っているという感じでみんなが来るまであちらこちらを飛び回っていました。女の子たちがやって来るとうさぎを見つけてみんなで抱いたりえさをやったりしました。しゅんくん、あつしくんも落ち着いて大事そうにうさぎを抱きました。今日も二人は手形押しから始めました。「きもちいいー」といいながら足の裏も絵の具で塗り、ぺったんしていました。そのたびに洗い場をけんけんで行ったりきたりして大忙しでした。しゅんくんは4枚ほど画用紙をウォーミングアップに使い5枚目で「スパイダーマン」を描きました。スパイダーマンがどんなに身軽かなどお話してくれてビルから飛び上がるところを描くことにしました。画用紙を継ぎ足して高さを出し飛び上がる瞬間の風の表現も工夫して描いていました。あつしくんも満足するまでぺったんをして最後に「夜釣り」の絵を描きました。夜なので人物3人も暗い色で描かれています。3人はおとうさん、おかあさん、あかちゃんです。海には魚がたくさん泳いでいて釣竿を持ったお父さんの竿には魚がかかっています。前には大きな魚がいます。後ろから押し寄せる波が船にかぶりちょっと後ろにバランスが崩れています。背景も描き込まれて仕上げに水しぶきを大胆に筆を振りながら表現していました。なおき(T)くんは来たときから少し元気がなくて今日はお母さんと一緒に描き始めました。クレヨンで殴り書きした後、絵の具できれいな色をパレットに作っていきました。途中でゆうりちゃんの絵を乾かすためにドライヤーを用意したところマイクに見立てて歌を1曲歌ってくれました。おちゃめななおき(T)くんはみんなを笑わせてくれます。ドライヤーが気に入ったので絵の具でお花をかいて乾かしていました。ゆりこちゃんとひかるちゃんは並んで絵を描き始めました。モチーフはあまり見ようとせずに自分で描きたいものがあったらしくどんどん描き進めていました。ゆりこちゃんは女の子と象の周りを走る車の絵です。天気は晴れているのに星も出ているなんとも不思議な感じのする絵になりました。クレヨンと絵の具を併用して描きました。ひかるちゃんは女の子とお花畑を描きました。コンテで描いていたお花を絵の具で塗りつぶしてしまったので水でふき取って描き直しました。ゆうりちゃんは前回のコスモスの続きを描きました。葉の形やつぼみの様子など観察して丁寧に仕上げました。まゆちゃんは、前回の続きでききょうを描き、2枚目はうさぎの絵、3枚目はコスモスと次々と描いていきました。コスモスの絵で葉が思った様に描けなくて涙ぐんでいましたが少しフォローしてあげるとまたぐんぐん描いていきました。1番最後まで残って納得のいくまで描き続けていました。今日は子どもたちの絵の具が切れているものが多く、あちこちで「絵の具がないよー、出ないよー」と言う声が聞かれました。こちらでも予備の絵の具は常時用意していますが、自分が描きたいと思っている時に欲しい色がすぐにないと気をそがれてしまうので教室に来る前の日に絵の具があるかどうか確かめておいてくださいね。


12日(土)
「今日の工作は何?」と元気よくやってきたのはりゅういちくんです。うさぎを見てさわったりしましたが「僕は工作が早くやりたい」と始めました。見本に用意していたのは新聞紙で作るヨーヨーです。新聞紙を柔らかくするのに子どもの力では1度では無理で、結構何度もくしゃくしゃにしては広げるという作業を繰り返します。元気のある子どもには持って来いの工作です。りゅういちくん、こうきくん、まさきくん、なおき(N)くん、ゆいちゃんが来た順に作り始めました。ゴムをつないでいく作業はどの子も最初はできなくてみんな練習をしました。りゅういちくんは1番に出来上がりしばらくそれで遊んでから絵を描きました。探検の絵です。1枚目は絵の具でイメージを固めていき、2枚目はクーピーペンシルで細かく描いていきました。画用紙が足りなくなったので2枚つなぎ合わせて描きました。こうきくんは新聞を丸めていくのに力を出し切ったのか後の作業は根気よく黙々としていました。ゴムをつなぐのは難しかったようですができあがりには満足して遊びました。その後コスモスを中心にして1枚絵を描きました。水をやっているじょうろや、出始めたばかりの植木鉢の中のかわいい芽、今にも生まれそうでひびの入った木の上の鳥の卵など画面の隅々まで気の行き届いた素敵な絵になりました。まさきくんと、ゆいちゃんは並んで一緒に作りました二人とも力を入れて何度も新聞紙を丸めました。ゴムをつなぐのは難しかったので私と一緒に作りました。その後まさきくんは「お化けの絵」を描きました。わにおばけ、くじらおばけ、くらげおばけ、などたくさんお話しながら描いてくれました。最強のお化けたちだそうです。ゆいちゃんはうさぎの絵を描きました。ピンクが大好きなのでピンクのうさぎにしました。抱いたり、ひくっり返して手や足の生え方や顔の様子などよく観察して描きました。なおき(N)くんはヨーヨー作りをしていく中でゴムをつなぐのが興味を引いたようです。最初は出来ませんでしたが何度かしていくうちにできるようになると長く長くゴムをつないでいきました。ななこちゃんはうさぎがお気に入りで何度も何度も抱いていました。「横向きが描きやすいかな」といって描き始めました。小さくてもずっしりと中身の詰まった命を感じてもらえるよう頭、胴体、手足と順に意識して描いてもらいました。観察力は鋭くて自分でじっくりと見て色を作り丁寧に描いていました。はるきくんは大好きな大乱闘スマッシュブラザーズのキャラクターたちを描いていきました。細かく描くのが好きなようで鉛筆でどんどん描いていきます。色鉛筆で色をつけ始めましたが時間が足りなくて途中で終わりました。うさぎなど動物はあまり好きじゃないとお話してくれました。

25日(金)
ハロウィンが近いということもあり、絵のモチーフにかぼちゃ、工作には布を使用したお菓子箱を見本に用意しておきました。来た人からかぼちゃを触ってもらいごつごつした感じや重さを感じてもらい名前をきいてみたり、食べたことはあるかな、とひとりひとりとお話をしました。さいしょにやってきたあつしくんは興味深げにかぼちゃをころがしたりしていました。「でもかぼちゃはかかないよ。またてがたをする。あれはたのしい」と言って絵の具を用意しました。1枚目は手形、足形をランダムにおしていき、2枚目は意図的に手形、足形を生かしたにんげんの絵を描きました。ひとりで創意工夫して描く力を持っています。全身を絵の具だらけにしながらエネルギッシュに描いていました。生命力あふれるいい作品ができました。まゆちゃんはじっくりとかぼちゃを観察し、いつものように速いペースで描いていました。緑色の皮の色の変化を細かく細筆で表現していました。2枚目はデカルコマニーという技法の作品作りを始めたので「ようちえんでやったの?」と聞くと「うん」と答えていました。3枚目は「ゆうりちゃんの顔」を描き始めました。ちょっとタイミングが悪くほかの子が工作を始めてしまったので興味がそちらにいってしまい中途半端になってしまいました。手早く描いてしまい、お菓子箱づくりを楽しんでいました。きおかちゃんはじっくりと色作りをし個性的なきれいな色を3色作りました。何を描いているかは何回聞いても「ないしょ」といいます。面白い独創的な色と形の抽象的な作品ができました。なおき(T)くんはクレヨンと絵の具で「かぼちゃかく」と積極的に描いていました。そのうち机の上に描きだしたので画用紙に写し取りました。後半はしょうくんと一緒に遊んだり工作したりしました。工作はお菓子箱でなく紙で剣とそれをあてるおおきな新聞紙のヨーヨーを作りました。ゆりこちゃんは半分に切ったかぼちゃを選んで絵の具で表現しました。おいしそうな色が出ています。デカルコマニーを1枚した後、お菓子箱作りも布選びに夢中になって作っていました。ひかるちゃんはデカルコマニーから始めました。そして工作をしたいと言うのでお菓子箱作りをしました。大きな箱にしたので時間がかかりました。ゆうりちゃんは「かぼちゃは描きたくないなー」といってりんご、ぶどう、いちご、みかんなど果物の絵を画面いっぱいに描きました。きれいな色で描こうという意欲があります。バックも色選びを慎重に考えて丁寧に塗り込んでいました。しょうくんは最初から工作がいいというのでお菓子箱を見せてハロウィンのお話をしましたが剣を作りたいというので紙を渡しました。柄の部分など工夫して作り出来上がると早速なおき(T)くん相手に遊びました。女の子たちからはフック船長みたいと言われていました。ただ先が相手の子の目に当たると危ないので代わりのものとして「鬼」を新聞紙で作り輪ゴムをつけてヨーヨータイプにしました。


26日(土)
ごろんと大きなかぼちゃにみんな少しは興味を惹かれるようです。さわって「何や軽い軽い」「なんかきもちわるい(黒皮南京のほう)」「すいかのにおいがする」「たねがいっぱいあるなー」とそれぞれに思ったことをいってくれます。一番にやってきたりゅういちくんは「きょうの工作は?」と期待してきてくれたのですがお菓子箱だけしか見本を用意していなかったのでがっかりしたようです。遊べるおもちゃが人気あるのはわかっているのですが、完成品が見本としてありそれを目指して作ることばかりでなく自由な発想で作り出せる環境も用意してあげたいので、今日は自由工作ができるよういろんな素材を用意してみんなの目に届き取りやすい位置に置いていました。それには興味を示さず画用紙を渡すと迷路を書き出しました。行き着く先にはどれも「ばか」と書いてあり似たようなものを2枚書きました。その後で絵の具を出ししっかりした筆致で「くびながりゅう」の絵を描きました。2枚の迷路の絵は1番に来たのにやりたかった工作がなかったことに対するがっかりした気持ちをはき出したのかなと感じました。はき出した後すっきりした気持ちで良い絵が描けたと思います。まさきくんはりょうちゃんがくると嬉しそうに「一緒に座ろう」と誘っていました。二人並んでかぼちゃの絵を描きました。二人とも種が見えているほうのかぼちゃを選び描きました。実の色はオレンジ色なのですがふたりはそろって緑を選びました。大きくごしごし描いたので「じゃあ次は実の色を選んでね」と声かけすると黄色で実の部分をごしごしと描いていました。種を描き、へたを描いて出来上がりました。「このかぼちゃどこにあることにしようかな?」と誘うとまさきくんは疲れてしまったのか「これでおしまい」といって絵の具を片付け始めました。まさきくんのは余白がほとんどないくらいの大きくりっぱなかぼちゃの絵が描けていました。りょうちゃんは「はたけにする」といって大地と太陽を描きいれました。元気いっぱいすくすくと育っているかぼちゃの絵になりました。ゆいちゃんはかぼちゃの色に赤を選び描き始めました。輪郭線だけで描き始めたので同じ色で良いから大きく中身の詰まったかぼちゃにしてねと声掛けをしました。そこから皮の表面を観察して入り組んだ筋やぼこぼこした感じを表現していきました。大地と空を描き個性的ないいかぼちゃの絵になりました。工作のお菓子箱も作りました。はるきくんは前回の続きはしたくないと言うので今日は好きなキャラクターをひとつだけ選んで大きくしっかり描けるようにもっていきました。そのため画用紙はいつもの半分にしました。下書き、本書き、色付けと一つ一つの作業を丁寧に美しくできるよう声を掛けていきました。本人は色を塗るのが面倒なようでしたがちゃんと最後まで塗ることができました。疲れたかなと思い後は好きに書いて良いよというと新しい紙に鉛筆だけで小さくびっしりと好きなキャラクターをひたすら描き続けていました。こうきくんは「ゼロツーを描く、先生ゼロツーはどこ」と聞くので「ゼロツーってなに?先生は持ってないんだけど」と言うと自分で描き始めました。出来上がったのは不思議なキャラクターで画面いっぱいに大きいのや小さいのが描かれていました。ななこちゃんは画用紙をもらうとミルモの絵を描き始めました。色鉛筆で丁寧に色も塗りました。工作のお菓子箱作りもしてできあがるとまた絵の続きをしていました。なおきくんはみんなの様子を見ながら「ぼくは帽子をつくりたいな」と言い、ひとりで帽子作りをしました。画用紙で型を作り布をボンドで貼り付けていきました。とても時間がかかりましたが輪ゴムの帽子紐も作り、パッチワーク風のおしゃれな帽子ができました。

<11月-MENU-9月>