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豊中美術研究所 こども図画工作教室(児童画教室)

2002年 11月号
アトリエでのこどもたちの様子をご家庭にお知らせするため毎月1回発行している教室通信です。
(Web公開用に記事を再編集してあります)
●金曜クラス●土曜クラス(文字色を分けています)

2002年11月

8日(金)
 絵のモチーフはさつまいも、工作は輪ゴムを使ったびっくりおもちゃを見本に用意していました。でもきょうはみんなそれぞれにやりたいことがあるらしく、思い思いの創作活動となりました。1番にやってきたきおかちゃんはマイペースで絵の具の用意をしてゆっくりゆっくりと絵を描いていきました。おやまでりんごとさくらんぼがピックニックしているところです。柔らかい芝生を描きいれ、太陽も描いたので楽しい雰囲気になりました。元気いっぱいでやってきたしゅんくんは、サツマイモを見つけて幼稚園で掘ったおいもの話をしてくれました。「絵の具をする」と言ってあちこちと移動しながらウォーミングアップに赤い絵の具で3枚ほど描き散らしました。その後は落ち着いて黙々とひとりでウルトラマンの絵を描き、仮面ライダーのベルトや小物など工作していました。好きなものが作れて嬉しかったのか「ここは楽しいなー」と言ってくれました。あつしくんは1枚目に首なが恐竜を描きました。胴体から描き始めて顔の部分が描けなくなったので紙をもう1枚足しました。2枚目は新幹線の絵をこれも2枚つなげてダイナミックに描いていました。塗り方も描き方も全身の力で描いていると言った感じで、描いているときは私はそっと様子を見守るだけにしています。あつしくんも創作しはじめると、私に話しかけるのは絵の具と紙が足りないときだけといった感じです。ゆうりちゃんは「つかれたー」といってやってきました。学校から帰ってきてすぐに歩いてきたので疲れてしまったらしいです。でもすぐに絵の具の準備を始めて描き始めました。川のある風景画で、頭の中に描きたいものがあるらしくすいすいと描いていました。ある程度描き進めていくと「この後どうしよう」と迷っているので「なにか生き物がいるといいかな」と話しかけますと、魚をたくさん川の中に泳がせました。ドライヤーで乾かしながら早く仕上げる方法も身につけています。色もきれいで暖かな感じのする風景画となりました。なおき(T)くんは工作をしかけましたがやっぱり絵の具がしたいといって用意を始めました。黄色と青を出してスポイトで水をたっぷり入れるのが面白いらしく楽しんで絵の具の素材と向き合っていました。大きく描いた絵が「虫のように見えるねー」と話しながら足を描き入れたりしました。とてもきれいな水彩画となりました。ゆりこちゃんとしょうくんは見本の工作が気に入って、二人で作り始めました。ゆりこちゃんは最初の基本のパーツを教えてあげるとすぐに覚えてどんどんとつなげていき、おおきなびっくりへびを作りました。へびの模様や顔も工夫して作っていました。しょうくんもはじめはなかなかはさみが思うように扱えないでいましたが、はさみの深いところで切るようにお話しするとだんだん上手になりました。へびのおうちも工夫して箱で私と一緒に作りました。できあがるといろんな人に試してみたくなるおもちゃです。


9日(土)
 「あけるな」の文字の書いてある箱を見つけたこどもたちは「あー、これきっとびっくり箱やで」と来た子からあけてみます。ななこちゃんやなおき(N)くんは「ぜんぜんびっくりせーへん」と言いつつも「これおもしろーい。つくりたーい」と気に入った様子です。こうきくんはおそるおそるあけてリアルなリアクションで驚いてくれました。一応みんなサツマイモも見てくれたのですがはるきくん以外は工作を選択しました。ななこちゃん、ゆいちゃん、なおき(N)くんは並んでつくり始めました。基本のパターンを教えるとすぐに覚えてひとりで作り始めました。ななこちゃんはいろんなキャラクターのものをたくさん作りました。箱に入れるのがなかなか難しかったようです。ゆいちゃんは長く長くつないでいきました。ところどころ切り忘れがあり輪ゴムがかかってなかったりしていたので補助しました。箱にも入れてみんなより早くにできあがり、お迎えを待っていたのですが、他のお母さんたちがたくさん来たのに自分のお母さんの姿がなかなか見えないのでとうとう泣き出してしまいました。と、同時にお父さんの姿が見えました。よかったね。なおき(N)くんはとても長くつないでいき、箱は紙製でなく缶タイプのものを選びました。缶のふたのデザインはビニールテープで施していました。りょうちゃんと、まさきくんは並んで作りました。はさみで切込みを入れるのは少し力が要るのではさみを大きく開けて根元付近で切るようお話しました。りょうちゃんはていねいにひとつずつ作っていき、うさぎのキャラクターのびっくりおもちゃにしました。まさきくんは輪ゴムをかけたり、程よい長さに切込みを入れるという作業が少し難しいようでしたが根気よく作っていました。つなぎ目を重ねずにぴったりとくっつけてテープをはるというのがわかりにくかったようでやり直しをしました。こうきくんは最初は「かえるにしたい。でもかけないよー。せんせいかいてよー」とかなり甘えていました。かえるの本を見せたり、最初は丸を書いてごらん、丸なら描けるよねと言うと「丸は描けるけど、描きたくないんだー」と言うので「無理して描かなくても良いよ。描けないなら折り紙を貼ったり、テープをはっても良いんだよ」と言うと基本のパーツをひとつづつ作っていき、つながないで箱に収めるというおもちゃにしました。ばらばらととびだしてきてそれが面白く、何度も何度も遊んでいました。後半は落ち着いて作業していました。はるきくんは今日もゲームのキャラクターを描きました。大きくひとつだけ描いてみてねといったのですが、1枚目は鉛筆だけでびっしりと細かく描いていきました。はるきくんはこういった描き方が好きなんだろうと思いますがタイミングを見て私はもう一歩進めていきたいと思っています。さすがにこれに色をつけるのは面倒くさそうだったのでもう1枚描いてもらいました。ペンで輪郭をとり、一色、色をぬったところで時間が来てしまいました。今日に振り替えのひかるちゃんははさみの切込みを深くしすぎてしまうので何度かやり直しました。セロテープは幅が狭くはりにくいのでガムテープを使いました。つなぎ目だけでなく輪ゴムの上も止めてしまったのでまたはがしたりして苦労して作っていました。

22日(金)
 絵のモチーフにふわふわの綿を用意しました。そこから連想する絵を描いてみようとイマジネーションを広げていくために、ひよこを見たりお話したりしました。工作は鉄棒遊び人形を用意しました。まゆちゃん、ゆりこちゃんは並んで工作からはじめました。二人とも手先が器用なので見本を見ながら自分たちで作業を進めていました。両面テープははがしにくかったので手伝いました。上手にくるりんとお人形が回ると二人とも嬉しそうでした。その後それぞれ絵を描きました。ゆりこちゃんは綿をうさぎに見立てて横に不思議な模様を描いていました。何かは本人も説明できないようでしたが、独特の深みのある色合いの模様です。まゆちゃんは綿を雲に見立てて家の絵を描きました。もう1枚は小さな紙を頂戴と言うので渡すと不思議な抽象画のような作品を描いていました。ひかるちゃんとゆうりちゃんは向かい合って絵を描き始めました。ゆうりちゃんは綿をうさぎにすることに決めましたが目の色をどうしようかと迷い図鑑を見たり、ピーターラビットの本を見たりして調べました。目は画用紙に描いたものを後から切って貼りました。ていねいに時間をかけて描いていました。ひかるちゃんは何を描こうかと長い間悩んで雲にすることにしました。おうちを絵の具で描きました。時間がかかってしまいましたが工作もやりたくて後5分でおしまいという時から作り始めました。大急ぎで作りましたがちゃんとできて嬉しそうでした。きおかちゃんはモチーフにはあまり興味がひかれず魚の絵を描いていました。川を下のほうに表現しています。お話が広がっていくかなといろいろと話しかけてみましたが「何にもしてないところ」「ないしょなの」と言っていました。でも今日はいつもよりたくさんしゃべってくれてこだわりの強さも感じられます。自分の気持ちをはっきり言うことができるのはいいことです。なおき(T)くんは今日は落ち着いていてお友達の様子もよく見ていました。興味もあちこちに惹かれるようで、まず工作の鉄棒人形を作りました。体の形を切るのは難しかったのか全部小さく切ってしまったので少し手伝いました。それから絵の具で絵を描きました。パレットは出さずに直接画用紙にスポイトで水を置き絵の具をしぼりだし、筆でのばしながら描いていました。ゆりこちゃんの使った残り絵の具のついた赤いパレットナイフを見つけてそれでぐいぐいっと形を描いていました。「ざりがにみたいだね」と話しかけると「そう、これざりがに」と答えてくれました。その後しゅんくんの作っていた鉄砲を見て「あれつくりたい」と言うので一緒に材料を選びに行き大きな鉄砲を作りました。折り紙のボールを入れたり出したりしてしばらく遊んでいました。しゅんくんは鉄砲を作り始めいろいろと材料を探し改良しながらどんどん大きな作品になっていきました。その後鉄棒人形が作りたいと言うので作り方を説明すると手早く作り上げました。できあがると楽しそうに遊んでいました。あつしくんはいろんな種類の箱を組み合わせケーブルカーをつくりました。ケーブルカーは白くないといけないそうで、それも紙を貼るのでなく絵の具で塗らないといけないと言い絵の具の用意をして作っていました。乾く間に絵を描きたいといって画用紙を1枚持っていきました。何を描いているのか最初わからなかったのですが、できあがってきたのはとてもカラフルでポップな猫の絵でした。個性ある色使いで見ているだけで楽しくなる猫です。その後また工作に戻り最後の仕上げをしていたのですがロープの部分を紙で作っていたため思い通りにいかなかったようです。少しアドバイスして、ロープ部分は紐に代え土台もしっかりとした箱を足してガムテープで固定しました。でも穴に紐を通したり細かい作業も一人で考えてできるので感心します。


22日(土)
 綿を見つけた子どもたちは手で持ったり顔に付けたりしてふわふわ感を楽しみました。鉄棒人形の見本も見て今日やりたいことを考えてもらいました。りょうちゃんと、ゆいちゃんは綿からうさぎを連想して絵を描いていきました。りょうちゃんは遊園地にいったうさぎにしました。百科事典の遊園地の写真を見ながらイメージを広げていきコーヒーカップとジェットコースターを描きました。遊園地は緑も多いので草や木や花も描きました。細部まで丁寧に描けています。ゆいちゃんはうさぎのお誕生パーティーの絵にしました。おいしそうなケーキと色とりどりのたくさんのプレゼントそしてたくさんのお友達にかこまれて幸せそうな絵になりました。はるきくんは前回の絵の仕上げをしました。ラインを太くしっかり描くこと、縁取りの線は定規を使ってシャープにすることなどアドバイスして仕上げていきました。画材はポスターカラーマーカーを使用しました。発色がとても良いので本人も「きれい」と気に入ったようでした。出来上がる少し前から「早く次の絵が描きたい」と言っていました。次の絵のために、画用紙の折り方に工夫をして渡しました。はるきくんも気に入ったようで「これいいな」とさっそく描き込んでいました。続きはまた次回です。こうきくんはポケモンセンターを描くといっておもちゃ持込みで観察して描きました。色鉛筆で細部までよく観察して描けました。次に「画用紙ちょうだい」とどんどん描いていき「6枚描いて本にする」というので今日中にできるかなと思っていましたらちゃんと描きあげて製本までできました。せっかくなので重石をかけてから、次回お話をつけたり、表紙などつけたいと思います。なおき(N)くんはみんなの様子が気になるようであちこちに移動してはお話に参加していました。作品は工作を選択して鉄棒人形を作りました。のんびり作っていたのでできたのは一つだけですがおしゃべりをいっぱいしてくれて楽しい雰囲気を作ってくれていました。りゅういちくんは最初ポケモン人形の絵を描いていたのですが途中から変更して迷路を描き出しました。とても細かく描いていて長い間黙々とおしゃべりもせず集中していました。他の子の作業に手を貸していたのでりゅういちくんの仕上げに関われなかったのですが、程よい大きさにトリミングしてきれいな台紙に張ってあげるとかっこいい手作り迷路になるなと思って見ていました。最近迷路に関心があるようですね。

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