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豊中美術研究所 こども図画工作教室(児童画教室)

2003年10月号
『アトリエだより』はアトリエでのこどもたちの様子を
ご家庭にお知らせするため毎月1回発行している教室通信です。
(Web公開用に記事を再編集してあります)
2003年10月

8日(水)

今回のテーマは虹です。本物の虹を見せてあげたいと思い鏡と水を利用して部屋の天井に映しました。工作は「にじのたまご」というネーミングのものです。絵本作家のやべみつのりさんのワークショップで作り方を教えてもらいました。カラーセロハンとビー玉という魅力的な素材を使用します。振り替え出席のさえちゃんは「宇宙人描くの」と言って塊のような絵を1枚描いた後みんなの様子を見て「さえもやる」と言って工作をしました。「大きいのがいい」ということで特大サイズのを作りました。大きいのでなかなか出来上がらず少し手伝いました。もとかずくんは、張り切って工作をしました。出来上がった「たまご」の周りにきれいに紙を貼って模様をつけました。その後自分で材料を探して流れ星を作りました。流れる尾の表現に細い紙を選んだり、前回ロケットの時に空気を利用したことを思い出してかビニール袋をちょうだいと言って膨らませて流れ星を飛ばしてみたりひとりで考えて工夫して作りました。なおき(N)くんは天井に映っている虹が気に入り自分で鏡の角度を変えたり虹を消したり映したりしていました。きれいに虹色が出た時はとても喜んでいました。「にじのたまご」を作った後自由工作をしました。牛乳パックに割り箸をがっちりと固定したいのだけどうまくいかないと言いにきました。ガムテープで固定するのを手伝った後は一人で作業を進め、出来上がったのはスクリューつきの船でした。スクリュー部分はゴム動力になっていてとても工夫されています。ゆりこちゃんは「にじのたまご」がお気に入りで4つ作りました。その後「ストローをちょうだい」と言いますので出してあげるとセロハンを利用してめがねをたくさん作りました。ひかるちゃんとゆうりちゃんは並んで丁寧にセロハンを細かく切っていきます。同じ作り方で「にじのたまご」を作りました。ひとつをじっくりと作ったので時間がなくなったのですがもうひとつ作りたいということで材料を持ち帰りました。きおかちゃんはきょうもよくおはなししてくれました。セロハンをじっくりと切りゆっくりと作りました。側面に紙を貼るのは「難しいなー」と言いながらも一人でがんばっていました。まゆ(T)ちゃんと振り替え出席のまゆ(K)ちゃんは学校でクラスも同じということで仲良く並んで作りました。細かくしたセロハンを貼っていくのはかなり根気が要り、まゆちゃん(T)は「めんどくさーい。先生やってー」と慣れてきたこともあり甘えてきます。少し相手をしてあげて「一人でがんばろうね」と言うとまた取り組み始めました。ゆうきくんはセロハンをきれいに切って、貼る位置を考えながら作っていました。時間をかけて丁寧に仕上げました。まいちゃんはなかなかお母さんから離れることができません。最後は抱っこして引き離した感じになってしまいました。声を出して泣いていたのもつかの間すぐに泣き止んだので、しばらく抱っこしながら他の子どもたちの進み具合を見ていました。まいちゃんにもセロハンを渡して「切りたくなったら切ってみてね」と言って様子を見ていたのですが全く動かずにいました。話しかけてみますが返事も返してくれないので、とりあえず「だいじょうぶ。こわくないからね。絵を描きたかったら描いても良いし、工作しても良いし、他にやりたいことがあれば言ってくれれば色鉛筆でも折り紙でも出してあげるからね」と声掛けをしました。お母さんがいらっしゃる時でも私とは会話をしようとしないのでたぶん何か原因があるのだろうと思います。まいちゃんにとって安心できる場所にするにはどうすれば良いのかなと考えあぐねています。

10日(金)
1番にやってきたまほちゃんに虹を見せると「虹見たことあるよ。○○くんが虹出てるよってケータイで教えてくれて、外に出たら虹が見れた」と教えてくれました。なんとも現代っ子らしいエピソードです。工作を選択して「にじのたまご」を作りました。側面のデザインも「虹色にしたよ」と言ってみせてくれました。その後、前回と同じような構図の家族の絵を描きました。水色のマーカーでお母さん、自分、お父さんの順に描き自分を1番大きく真ん中に描いています。左にリビングと階段があってつながり右側が台所です。フライパンとなべも描きました。色はつけたくないと言ったので彼女の中ではこの段階で終了していたのだと思います。絵の具を出すのはイヤと言うのでポスカラマーカーで色を出して水をつけた筆で伸ばしながら色をつけていく方法を教えてあげると気にいって色をつけていきました。今回も3人なので「妹は描かないの?」と聞くと「うん、これでいいの」と言っていました。あつしくん、しゅんくんは表情も明るく元気にやってきました。いすにすわってテーブルの上で描くのがいいというのでそのようにしました。虹の課題説明は聞くのもそこそこにさっさと絵の具の用意をして「紙ちょうだい」と絵を描き始めました。あつしくんは、「わにの絵」を描きました。波の模様など面白い線を作り出しています。色も個性的です。次にスポイトに絵の具を吸い込ませ、小さな紙に絵を描き始めました。水分が多いので紙を傾けるだけで垂直、水平に色が動き、幾何学模様を作り出していきます。これは課題にすることもあるのですが、あつしくんはそれを一人で発見し、面白がって作品にしていました。そのあと色水を作り金や銀の絵の具も流し込んで楽しんでいました。しゅんくんは、まず星を描き「うんなかなか良く描けた」と満足してヨット、ドラゴン(と言っていたと思います)を次々に描きました。途中でひさたかくんの作品を見てしゅんくんも同じように新幹線の絵を描きました。「割り箸ちょうだい」と言うので渡すと割り箸を線路にして半立体の作品に仕上げました。その後あつしくんのを見て色水作りをしました。ほかの子の様子も結構観察していて興味を持つと取り入れ独自のアイデアも入れながら自分の作品にしていくというたくましさがあります。振り替え出席のひさたかくんは工作を選択して「にじのたまご」を作りました。側面にきれいなテープを上手に貼りました。その後「紙ちょうだい」と言うので渡すとまず青のガムテープを端から端まで貼り新幹線の絵を描きました。テープが気に入ったようで何本も貼り絵を作り上げました。最後にいろんな材料を探してきて大きなロボットを作りました。うまくいかないところはじっくり考えいろいろ工夫して仕上げていました。今日は人数が少ないせいもあり、びっくりするほど静かでみんな黙々と作業に取り組むので私はのんびりこどもたちの様子を見ていられました。

11日(土)
あいにく今日はお天気が悪く鏡できれいに虹を天井に映し出すことが出来ませんでした。「にじのたまご」の見本を見てもらい始めました。なおきくん(T)は「これ作りたい」と言ってすぐに制作に取り掛かりました。四角のタイプのものを選択して作りました。一つ出来上がるとトイレに行くのに一緒に来てと言ったり、私にまとわりついて抱っこやおんぶをせがんできます。(安心感を持ってくれている証拠なので私はぜんぜんいやではありません。念のため・・・)「お母さん抱っこしてくれないの?」と聞くと「なおちゃんのおかあさんだっこしてくれない」と言います。前にいたひろゆきくんが「僕も重いから、あんまりだっこしてくれない。22キロあるし・・・」「なおちゃんは21キロある」「ぼくはいっぱいだっこしてくれるよ」と小さくて軽そうなりょうたろうくんも話に参加してきます。なおき(T)くんは後半作った作品がどこにいったのかわからなくなってもうひとつ作りました。紐をつけて工夫していました。ひろゆきくんは大きいのを作りたいと言うので好きな箱を取ってきてもらいそれを利用しました。セロハンを貼るのが大変で「なかなかはれないよー」と助けを求めてきたので少し一緒に貼りました。りょうたろうくんは絵の具をきれいにパレットに1色ずつ出して絵を描きました。最初はきれいな色だったのですがどんどん混ぜて最後は大きな刷毛でたっぷりと画用紙を染め上げました。下地のようになったので最後に割り箸で線描きしたら面白い作品になると思い誘ってみました。少し描きましたが塗りこむほうが好きなようでした。こうきくんは「にじのたまご」が気に入って作っていました。セロハンを切ろうとするとなぜかはるきくんが横からちょっかいを出すので注意しましたが離れず、とうとうこうきくんが怒ってしまいました。はるきくんがおとなしくなるとこうきくんも丁寧に作品作りに取り組みました。側面の模様もきれいに描いて、出来上がったものを窓辺で光を通して何度も眺めては「オーロラみたいやなー」言ってました。紐をつけてたなおき(T)くんのを見て、こうきくんもつけました。こうきくんは鏡で作る虹が入れ物の器にできているのを発見して喜んでいました。ひろゆきくんも一緒に見ました。だいきくんは来た時から「スライム、スライム」と、スライムのことしか頭になかったようです。ただ、スライムはきっとみんなやりたがるだろうと予測できるので少し待ってもらってみんなそれぞれの課題に取り掛かってから準備をしました。ホウ砂と水ををペットボトルに入れてだいきくんに振ってもらいました。好きな色の粉を少しの水で溶かし水のりとホウ砂水を混ぜるとすぐに出来ます。こうきくんに怒られてしょげていたはるきくんも「だいきのを手伝う」と言って一緒に作り始めました。他の子は自分の作業をしながら「面白そうだなーやりたいなー」と思っているのがこちらにも伝わってきます。それで「みんなにやらせてあげるからまず今やっていることを仕上げようね」と声掛けしました。りょうちゃんも「にじのたまご」を選択していたのできれいに仕上げからスライムを作りました。振り替え出席のまゆ(K)ちゃんは「また、にじのたまごつくる」と言って始めました。同じく振り替え出席のさえちゃんは「絵の具する」というので画用紙を用意しました。刷毛を使ってきれいな青い絵を描きました。りゅういちくんは工作には興味はなかったようで迷路を描きました。だいきくんのスライム作りを見ると「ぼくもする」と迷路は途中で終わりました。最後はなおき(T)くん以外はみんなスライム作りを楽しみました。

22日(水)
19日の日曜日前後で鵜骨鶏のひよこが6匹孵りました。それで、絵画のモチーフは「ひよこ」です。工作は楽しいゲームの定番「コリントゲーム」です。仕掛け部分が難しいのですが、それさえ出来れば後は自由な発想で作れます。ゆりこちゃんは工作を選択したもののひよこが大好きで工作の手をしばしば止めながらひよこと遊びました。なおき(N)君もひよこに夢中です。ひよこをさわっているうちに創作意欲もどんどん膨らみひよこのおうちを作りました。紐をつけて首からぶら下げられます。出来上がるとひよこをいれてアトリエ内をお散歩していました。「絵も描くから紙をちょうだい」と言うので渡しますと今作ったおうちとひよこを描きました。描きながらもひよこをほおずりして「ふわふわだー」と気持ちよさそうでした。まゆ(T)ちゃんはずっとひよこをそばにおいて絵を描きました。「かわいいなー。もって帰りたいよー」と言っていました。ななちゃんはひよこを見た瞬間「かっわいいー」と目がきらきら輝きました。まゆ(T)ちゃんと二人並んでキャーキャーとひよこと遊びながら絵を描きました。ふたりとも絵のほうは観察して描いたというよりパターン化された形ですが、画材もマーカーを選択して、ひよこを自分なりの表現で描きだしたので「大きく描いてあげようね」の声かけくらいにとどめて、どういう風に描くか見守っていました。今日は本物のひよこに触れる感動のほうを大切にしました。まゆ(T)ちゃんは犬や鶏など数種の生き物やえさなども想像して描きました。ななみちゃんは一つ一つのモチーフは小さいのですが画面いっぱいに描きました。筆致もしっかりしています。ゆうりちゃんもひよこを描きました。しばらく抱いたりしてひよこの感触を楽しみ、そばにおいてよく観察して描きました。色も本物に忠実に出そうと工夫をしていました。羽の表現もよく出来ています。「また次も描くからひよこ置いといてね」とひよこと別れるのが名残惜しそうに帰りました。ひかるちゃんはひよこと遊んだ後工作をしました。ビー玉の入る点数ボードをたくさん作りました。仕掛けもうまくいきました。時間いっぱい使って一つ仕上げたのですがもうひとつ作りたいようでした。ゆうきくんはひよこを少しさわった後工作をしました。仕掛け部分は最初から作ってもらいました。厚紙のきれいな折り方を指導しました。仕掛けの穴はこちらで開けましたが他はひとりで作りました。出来上がって遊んでみて、物足りないところを作り足していました。まいちゃんはしばらくお母さんと一緒にいて、後半は一人で作業しました。きょうは泣くことはなく、「わごむを取ってきてね」「セロテープを貼ってね」と言うと返事はしませんがちゃんと聞いていて、手もよく動いていました。ゆうきくんがおりがみで花を作っていたのを見てやりたかったのか作りかけてとまどっていました。小さなおりがみで一緒につくろうねと誘うと乗ってきてくれました。ゲームも出来上がって楽しんでくれたかな?

24日(金)
今日もひよこは大人気です。まほちゃん、りょうちゃん、きおかちゃん、振り替え出席のりょうたろうくんは 絵画を選択してひよこを描きました。しゅんくんは工作をしながらひよこと遊び、あつしくんはただひたすらひよこと遊んでいました。まほちゃんは伸びやかな線でひよこを描きました。ちょこまか動き回るひよこの感じが出ています。コリントゲームも作りました。りょうちゃんはしっかり観察して描きました。ひよこの色も工夫して出しました。絵のほうに時間を割いたので工作の時間が足りなくなってしまいましたが一生懸命最後まで作りました。きおかちゃんとりょうたろうくんはひよこを箱に入れてあちらこちらと大移動です。ひよこが箱から脱走してはわーわーきゃーきゃーと大騒ぎでした。絵を描くよりひよこと遊んでた時間のほうが長いようでした。でもこどもにとっては「感じること」が一番大事なことなので充分に心ゆくまで遊んでもらいました。(ひよこは疲れたと思います)きおかちゃんは色作りにこだわっていました。独特のひよこの色を作って描いていました。りょうたろうくんはひよこの形は出現していませんでしたが、ひよこを見ながら描いていたのでイメージはあるのだろうと思います。色は一つ一つ丁寧に塗られていておもしろい抽象画となっています。しゅんくんはコリントゲームの材料や他のものも使って自由工作をしました。いろいろ工夫して作ったり遊んだりしていましたが、出来上がったものには興味を示さず持って帰りたいという気持ちはないようでした。作っている間は真剣に作業していました。作るプロセスに満足していたのだと思います。

25日(土)
一番にやってきた振り替え出席のさえちゃんはひよこをみるとさっそく抱いて「これ描く」と言って絵の具の用意をしました。大きな顔をかいたので画用紙を足しました。2枚に渡るダイナミックなひよこの絵になりました。本人も満足そうに「できた」と喜んでいました。おかたずけをしてからおりがみでチューリップをいっぱい作ってボードに張って半立体の作品を作りました。紐が結べないというので結び方の練習をしました。
男の子たちはコリントゲームに釘付けです。何回か遊んでから製作に取り掛かりました。こうきくんはこまのひとつひとつにも模様を描いて丁寧に作っていました。りゅういちくんは「大きいのを作るからね」と箱を選んでいました。難しいしかけを仕上げると後は楽しく作業できたようです。だいきくんもがんばって根気よく作っていました。こまを作る段階になると「数字かけるよ」と張り切っていました。ひろゆきくんも工作が大好きです。盤上に独自の仕掛けも加えて工夫しています。ビー玉をとめる部品も自分で作れるように練習しました。赤いビー玉がお気に入りだったのに途中でどこかに行ってしまい一生懸命探して出てきました。よかったね。ひさたかくんは「きょうはお祭りでおみこしかついだよ」とおはなしをしてくれました。コリントゲームに興味を示し作りました。はさみやテープの扱いも上手です。工作の後ひよこの絵を描きました。リズミカルな楽しい絵になりました。筆を傷めないように向きを考えて使う事を指導しました。パレットに青と黄色がでていたので緑の作り方を教えてあげると「わー、緑になった」と喜んで葉を描いていました。その後、色を混ぜると色が変わるということに興味を持っていろいろ混ぜてその不思議さに浸っていました。はるきくんは何をしようか考えてひよこの絵を描く事にしました。ひよこだけでなくくす玉があったり段ボール箱も描き想像力豊かな絵になっています。もう少し時間があったら色もつけられかな。色鉛筆は時間がかかるので絵の具に誘ってみました色鉛筆を選択しました。中ごろから男の子たちがひよこと遊び始め、ティッシュに穴を開けて服にして着せて「ひよこ姫だー」盛り上がっていました。みんなとっても楽しそうでした。

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