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『アトリエだより』はアトリエでのこどもたちの様子を
ご家庭にお知らせするため毎月1回発行している教室通信です。
(Web公開用に記事を再編集してあります)

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2004年12月

【12月前半の課題】
絵のモチーフはだいこんとかぶです。似ている野菜ですが「かぶ」はこどもにはなじみがないようです。でもおはなしの「おおきなかぶ」はよく知っていて「うんとこしょ、どっこいしょ」のヒントをあげると「ああ、あれか」とわかるようです。工作はビックリハウスです。見本は12月にちなんでサンタさんが飛び出しますが飛び出すものを自分で考えるのが楽しい工作です。

1日(1,3水)
あいりちゃんはかぶと大根を見ていましたが工作を選択して作りました。音楽が出てくるビックリハウスにしました。表面デザインが楽しかったのか時間をかけてぴかぴかのおうちにしました。りょうきくんは最初かぶの名前がわからなかったのですが、ヒントを出してわかったとたん嬉しくて、次からきたお友達に私がヒントを出す前に「これはかぶ、これはかぶ」と教えていました。でも絵は描かず工作を選択しました。「どんぐりおばけ」というキャラクターを創造しビックリハウスの主にしました。ようへいくんは最初「火」から描きました。次に人物を描いたので「これ消防士さん?」と聞くと「そう」と答えて「ホースから水が出ている」とお話しながら描いていました。2枚目はおばけの絵を描いていました。集中力が切れたところでともひろくんと、それぞれ自分の手に絵の具を塗りたくって見せあいっこしていました。ともひろくんは大根から描き始めましたがそのうち色を混ぜて紫色にして、サツマイモのようになりました。さすがに本人もこれは大根ではないと思ったらしく、これ「お芋にする」といい、横に新しく大きな大根を描きました。少し飽きてきたようだったので、ペインティングナイフを持たせたところダイナミックな筆致で描きだし、最後まで興味を持続できました。葉っぱの部分もよく見て描きました。工作もしたくなったようですが、絵を仕上げてからね、と言っているうちに時間がなくなりました。かおるくんは一人黙々と、くれよんで色ケント紙の裏表に絵を描きました。片面は「大根」、もう片面は「ろくろっくび」と言っていました。次にパレットに絵の具を出したり混ぜたりして、混ぜて黒っぽくなった絵の具で大きい塊を描いたので「何描いてるの?」と聞くと「車」と教えてくれました。「じゃあ違うきれいな色を出してタイヤも描いてね」というと、自分で絵の具を出していました。しんごくんはかぶを描きました。自分なりの表現で描きましたが、葉の部分の観察が甘いのでもう少しじっくり見てもらおうと声をかけましたが、ゆうりちゃんやゆり子ちゃんのやっていることに興味がいき、モール工作を始めました。しばらくして、また絵画に戻り、葉の部分とかぶの先に特徴があることなど観察してどんどん描きこんでいきました。薄かった色も濃く描くことで実の詰まった丸々とした感じが表現されました。是非額に入れて飾ってあげてください。ひかるちゃんは工作をしました。トナカイのおうちにしました。後半はゆりこちゃんたちとモール工作をしました。ゆうりちゃんは置いてあったビーズやカラーセロハンを見つけて「これ使っていいの?」と聞くので「いいよ」というと、描きかけの紙芝居にボンドで細かい模様をデザインして貼っていました。ゆりこちゃんは「今日学校で習った」というクリスマスツリーを作りました。上質紙で本体を作り、モールで飾りを作って取り付けていました。私にも作り方を丁寧に教えてくれました。

8日(水)
きおかちゃんは大根から描きました。絵の具の用意もすばやくさっさかと描いていきます。かぶとなすびを描きました。さえちゃんは「きおかちゃんといっしょのする」と大根を描きました。そしてあけぼのっ子らしくだいこんと来れば、なすびに、きゅうりということで3つの野菜をかきました。二人とも葉のつき方もよく見て描きました。後半はきおかちゃんがお花の絵をマーカーで描けば、さえちゃんも「いっしょのする」色鉛筆を使えば「いっしょのつかう」とずっとくっついていました。ゆうきくんはアトムの絵を描きました。色鉛筆で色を塗りました。もとかずくんは、ゆうきくんのそばにいたいようで、向かいのテーブルで絵を描きました。ザリガニとかにの絵です。前にゆうきくんがやっていたローラーを思い出して、「ぐるぐるするやつ出して」と言い、水を表現しました。後半はヤクルトの容器でカブトムシを作りました。何か材料を出してほしかったようなのですがダンボールに似て、そうじゃないようで、私が理解できずにいると、「もう、いいから、モール出して」と素材を変更してくれました。うまく表現できたようです。りょうくんは「大根描く」と言い、グレーの紙にオレンジペール色で描き始めました。最初は4本の大根だったのがどんどん合体し、最後には全面塗りつぶしてしまいました。葉っぱをどこかに描く?と聞いても「ううん、これ、だいこんだけでいい」と言うので「じゃあ、おいしそうに描けたから、誰かが食べてるところにしようか」と誘うと「うん」と答えて大きな口の人を描きました。もとかずくんと一緒にお茶を飲んだり、後半はカブトムシを作ってもらっていました。なおきくんは工作のビックリハウスを作りました。モンスターボールが出てくるところにしました。はるなちゃんはたくさんの図鑑を見ながら少しずついろんなものを描きました。「みつるくんの駄洒落コーナー」というのを描いたので詳しく話してもらいました。その下にはるなちゃんオリジナルの駄洒落も書きました。まゆちゃんとななこちゃん、ひでのりくんはビックリハウスを作りました。まゆちゃんとひでのりくんはおばけ、ななこちゃんはドラえもんをモチーフにしました。後半はまゆちゃんとななこちゃんは書道を始めました。ひでのりくんはこうすけくんと迷路をかきました。かなり楽しいらしく二人の世界に入り込んで盛り上がっていました。もう1枚紙ちょうだいとふたりとも画用紙2枚分の迷路を描きました。こうすけくんは前半は「自由にしたい」といい蝶と虫の絵を描きました。鉛筆書きだけでもうおしまいと言っていました。そうたくんは「画用紙ちょうだい」というので渡すと丸めて両サイドに切込みを入れ始めたので、何作ってるのかなーと思っているとみごとなだいこんが立体作品でできました。大根の先や葉の切り方などよくできてます。後半は材料ボックスからいろいろ探してヨットを作りました。

10日(金)
今日はお休みの方が多く3人のアトリエでした。すみれちゃんは大根とかぶを描きました。丸々おいしそうに描けました。葉の部分、根っこの部分をよく観察しました。後半はおりがみで家をコラージュしました。人間の表現も上手です。りょうたろうくんとさとしくんはサンタさんのビックリハウスを作りました。後半、絵画に誘ってみましたが二人ともおりがみがしたいと言いました。さとしくんはおねえちゃんがおりがみ名人だと話してくれました。鶴を折りたいというので一緒に折りました。りょうたろうくんはおりがみでクリスマスツリーを作りました。それを見て他の二人もまねて作り、りょうたろうくんはすみれちゃんのコラージュみたいに作りたいといい、すみれちゃんと折っていた星をさとしくんもつくりとそれぞれお互いにまねっこを取り入れながら自分の作品を仕上げました。兄弟の話も出て、おしゃべりしながら楽しく作りました。

11日(土)
りゅういちくんは前回の工作の本がお気に入りでその中からぐらぐら迷路を選び作りました。1センチ四方角のパーツを描き、切ったりと細かい作業でしたががんばって作りました。こうきくん(上)も本の中から割り箸鉄砲を選んで作りました。前回よりも簡単なほうの作り方だったので、説明を読んでひとりで作れました。新しいのこぎりを用意していたのでそれでスムーズに割り箸を切っていました。ひろゆきくんも本の中からミニゴルフゲームを選びました。箱を探しに行くとまさにひろゆきくんのために置いてあったようにぴったりの箱とダンボールがあったので喜んで使いました。作業がたくさんあるので途中までしかできませんでした。次回に持ち越します。ひさたかくん、ひとみちゃん、れなちゃんは大根から描きました。3人とも葉の様子、根っこの様子をよく見て描きました。後半はビックリハウスを作りました。こうきくん(浦)はラップの芯をたくさんつなげて「ぼうえんきょうだー」と言っていました。こうきくん(上)がのこぎりを使っているのを興味深そうに見ていて、私が気づくとこうきくん(浦)はラップの芯を一人で切り始めていました。持ち方が危ないので正しい持ち方を教えて一緒に切りました。しばらくして「せんせー、たいへん」というこうきくん(浦)の声に、そばまで行くと向かいにだいきくんがいて、えんぴつやガムテープにホッチキスの針を打ち込んでいたのでした。「だいちゃん、だめ。」というとにやりと笑って逃げてしまいました。だいきくんは来たときから「なんにもしたくないよー」と言っていました。しばらくすると紐を出してきて自分のかばんに結びあちこち歩き回っていました。次に、紐を代えてまた歩き回っていました。最後に紐を部屋のあちこちに張り巡らせ始めました。前衛美術のようで、どうなるか様子を見ていたのですが、何人かが引っかかり始めたので、「だいちゃん、だめ。」と2度目のだめだしをすることとなりました。ほのかちゃんとかのんちゃん、振り替え出席のみづきちゃんはビックリハウスを作りました。ほのかちゃんは作業も早く、後半は自由工作で犬を作りました。かのんちゃんははさみで切るのが大変な作業でしたが1時間ほどかけて丁寧に切っていきました。ホッチキスでとめたりするのは手伝いました。がんばって完成させました。みづきちゃんは基本形ができた後の表面デザインに凝っていました。華やかに仕上げました。

後半は冬のお楽しみ会ということで親子参加型のプログラムを組みました。

15日(水)、17日(金)18日(土)22日(水)の4クラス
工作はマカロニフレームのクリスマスキャンドル。ビンゴゲームをしておやつをみんなでいただきました。

29日(水)振り替え日
休んでいた日がみんな違うので別課題を用意しました。
年末ということで、みんながおうちのお手伝いができるように工作は牛乳パックで作る拭き掃除スリッパです。雑巾はガムテープで止めてあるだけなので汚れたら取り替えます。絵画はシクラメンの花です。きれいに描けたら部屋に飾りましょう。まほちゃんちほちゃんは二人並んでスリッパを作りました。これ手にはめたら、柱も磨ける!床も足に履くより磨きやすいよ。といろんな掃除方法を考えてくれました。まほちゃんはシクラメンの絵も描きました。花のつき方、葉のつき方の特徴をよく観察して描けました。ちほちゃんは好きなお花と、花火を描きました。どの色にするかよく考えて選んで描いていました。ゆうきくんは「今日はライオンを描く」と決めてきたようです。はいってくるなり図鑑を取って、描き始めました。細かい描写はお得意です。男の子たちがまわりに集まって「うまいなー」と描いているところを見ていました。ようへいくんはお父さんと泥棒を描きました。ドアが二つあり、お父さんは出かけるところ、泥棒はおもちゃを取りに来たところだそうです。外は雨が降っています。ようへいくんの中では泥棒が気になる存在だそうです。しんごくんはスリッパを作りました。どんな絵にするかで悩んでいました。ひさたかくんは自由工作をすると言い、折り紙で細かいものをたくさん作っていました。ルビーやカイオウガの名前がでていました。シクラメンの花をパズルにしたいと言い、小さな紙を組み合わせて描きました。途中ふとしたことから、しんごくん&ようへいくん対ひさたかくんで口げんかが始まってしまい、横にいたななこちゃんははらはらして、何とか止めようと仲裁に入ってくれました。ななこちゃんはスリッパを作っていたのですがけんかが気になって手を止め3人のやり取りをよく聞いてあげていました。


2005年 初春のお慶び申し上げます。

昨年は台風、洪水、地震、津波と自然の驚異を目の当たりにし、自然の、地球のささやきに耳を澄ませることがいっそう必要かと感じています。日本古来の文化は自然の畏怖を感じる心を、地域の中で伝承行事を通して大人から子どもへと伝えられてきました。でも、現代では核家族や少子化などでそれもなかなか感じる場が少なくなったように思います。もうすぐ節分です。幼児保育の節分に関する資料の中から、以下、国文学研究資料館の大西廣さんの文の引用です。
万葉集の時代は「鬼」とかいて、「もの」と読みました。今でも「ものすごい」「もの悲しい」などというときの「もの」は、そのなごりです。「もののけ姫」の「もの」もそうですね。つまり、古代の日本では、人間に計り知れないものはすべて「もの」=「鬼」だったわけです。この「もの」は、わたし達の身のまわりの「もの」とも同じ言葉です。今の人が「鬼」というと思い浮かべる、頭に角があって赤や青の大きな身体をした鬼は、中国から仏教とともに伝わってきた姿です。それが、日本古来の計り知れない恐い「もの」を表すようになったんですね。
 節分の鬼は、本来、病気や災厄が鬼の姿をしたものです。そういうものを追い出すために、「鬼は外」と、となえて豆をぶつけるわけです。(中略)何かに対して恐れの気持ちを抱くということは、人間がいきていくうえで、とても大事なことなのです。
共同体の中で経験するというのは、個人的に経験するのとは違い、「ああ、あのこもこわいんだな」と感じたり、「みんなで立ち向かえば大丈夫なんだ」などという共通認識をもつということです。また、自分が鬼になれば、みんなから追い払われる存在になるわけです。惨めな気持ちになることもあるし、反対に特別な強い存在になったと感じることもあるでしょう。そんないろいろな感情を体得することで、こどもは生きていくのが楽しいだけではないということを、心の深いところで認識するようになります。(中略)つまり、人間が生きていくには、楽しいことばかりではなくて、苦しいことも悲しいこともあるという現状理解が、強い心を持った子どもを育てて行くのだと思います。幸せだと感じるためには、対極の感情も理解していなくてはならないのです。
 以上                    
彫刻家ロダンの残した言葉の中に「『自然』を追うと、全てを得ます。」「まず第一に芸術はただ自然の綿密な研究です。」などがあります。この場合の自然は山や川などの大自然や環境としての自然という意味だけでなく、自らの主体的な関わりを持った「自然」のことです。「自然から学ぶ」ということは、対象世界のあるがままの自然を認め、「自然の」中で、自己と出会い、位置づけ、操り、紡ぎだし、見つめ、研ぎだすといった主体的な関わりによって、自己の世界を構築することです。私に求められる事は「子どもたちが生きることの中で、出会ったこと、見つけたことを共に認め、大切にしていくこと」と肝に銘じ、今年も子どもたちと楽しく造形活動していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
2005年1月元旦
(参考文献「ラポム節分委員会」学研、「造形の方法」造形・教育研究所編)


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