|
|

『アトリエだより』はアトリエでのこどもたちの様子を
ご家庭にお知らせするため毎月1回発行している教室通信です。
(Web公開用に記事を再編集してあります)
|
|
2006年03月
【3月前半の課題】
園や学校に通うこどもたちにとっては、締めくくりの月です。絵画は「一年間の思い出」がテーマです。生きる力につながるものは知識の量ではなく自然や人間に触れ、物事を感じ取る感性です。生きていく基盤の生活をしっかりと見据えていく目は大切です。今回は対話の中から、記憶の中の感情体験を絵で表現します。丸ひとつでも一人一人がこめた思いや意味は違います。絵を持ち帰ったら、お子様と対話をしてみてください。そして、その世界を共有してあげてください。工作は「くぎを打つ」が課題です。49本のくぎを打ち、カラー輪ゴムで絵を描いたり、迷路を作って遊びます。遊び方は自分で、幾通りにも展開していける、想像力を伸ばせる遊びです。
1日(水1,3)
ゆりこちゃん、ともひろ君、振り替え出席のかなた君、りょうたろう君は前回お休みしていたのでヒヤシンスをかきました。こうすけ君も仕上げの絵はまだでしたので、描きました。スケッチペンでスケッチをして、淡彩で仕上げました。花の色を5人ともじっくりと考えて作りました。ゆりこちゃんは、丁寧に仕上げて、後半は折鶴つなぎをしました。ともひろくんは、少し描いては、前回のペットボトルが気になり、どこにあるのかと聞いてきます。出してあげると、すぐにでもやりたそうでしたが、絵を仕上げてからね、いうと、色作りを始めました。絵の具が好きなので色作りを楽しんでいました。後半は課題の工作をして、くぎを懸命に打っていました。半分くらいまで打つと疲れたので、休憩して、また、続けました。後もう少しというところで、お友達に誘われてペットボトルジュース作りにいってしまい、時間がなくなり、最後は急いで作りました。かなたくんはヒヤシンスをじっくり観察して、マイペースで描きました。花、球根、葉、根、一つ一つの色にこだわり、誠実に描き上げました。後半は、絵に時間を取られたので短い時間でしたが課題のくぎを打ちました。りょうたろうくんは「花がいっぱいでめんどくさいなー」といいながらも、ひとつひとつ丁寧に描きこんでいました。着彩もイメージどおりの色が出せて、うまくいきました。課題の工作も上手にくぎが打てました。カラーゴムで、いろんなバリエーションを考えていました。こうすけくんはひとつ色を塗ると、次どうするの?と何度も聞いてきます。手順を示してもらえると安心して描けるようです。根の長さや、色など対話しながら、決めて、描いていきました。工作は待ってましたとばかり、集中して作っていました。さっきとはうって変わり、私には何も聞かず、どんどん自分のイメージで作っていき、最後には、裏にもくぎを打ち、傾斜をつけたりするなど、独創性があります。ゆうりちゃんは工作を選択し、くぎを打ちました。手際がよく、一番にできました。輪ゴムで絵を描いて楽しみました。ひかるちゃんも工作をしました。釘は打っていくうちに慣れてきて上手に打てるようになりました。輪ゴムでまず、たこを描き、海の世界を表現していました。かおるくんは最初の10本ほどは自分でしっかり打っていけました。そのうち、「もう、手が疲れたヨー」というので、休憩しました。釘を最初に打ちこむのが難しそうだったので、キリで少し穴をあけてから打つようにしました。3分の2ほどがんばって一人で、残りは私も一緒に手伝い、仕上げました。輪ゴムは楽しそうに選んでいました。かけ方は自分で工夫していました。しんごくんは「工作する」と、始めたものの、お友達の様子が気になり、あちこち見て歩き、なかなか自分の作業が進みません。始めたと思ったら釘1本を全部下まで打ち込み「もう一枚、木ちょうだい」というので、一人に一枚しか用意していないことを説明して、くぎを引き抜き、どこまで打つか考えて、作業するようにお話しました。落ち着いてやりだすと、さすがに小学生らしく、手早く作っていきました。時間内に作り終えると、気になっていた、ともひろくんのペットボトルジュースを「やらせてなー」と作り始めました。ようへいくんはサンドペーパーで木を磨き、釘を一本一本ゆっくりと打っていきました。途中でかおるくんと一緒にお茶を飲んで休憩をしました。時間はかかりましたが、全部一人で打つことができました。輪ゴムをかけるのも好きな色を選んで、考えて作っていました。ひでのりくんは今日の課題は気に入ったようで、集中して作っていました。釘は上手に打つことができています。カラー輪ゴムをどうかけようかと、考えながら、時間をかけて作っていました。
8日(水2、4)
振り替え出席のゆりこちゃん、ともひろくんは早くにきて、「くぎ打ちしたーい」とやる気満々です。ゆりこちゃんはまだやっていなかったので、早速始めました。打つのも手馴れていて、30分ほどで仕上げてしまいました。輪ゴムでしばらく絵を描いたあと、課題の「思い出の絵」を描きました。ディズニーランドへ行ったことが楽しかったとお話してくれて、マーカーで2枚、絵を描きました。人物も細かく描写されていて、カラフルで楽しい絵です。家族みんなを描き、楽しかったことを、絵と言葉両方で表現してくれました。ともひろ君はくぎを少し打ってから、「やっぱり今日は絵を描く」と、マーカーで「虹の国」を描き、それから、絵の具で、リフト、ザリガニ、かに、さんしょううお、カエル、ヘビ、などどんどん描いていました。リフトは遊園地で乗ったようです。遊びにいたっときのことをお話してくれました。次から次と筆の赴くままに休む間もなく、ひたすらずっと絵を描き続けました。なおきくんとりょうきくんは並んでお話しながら作りました。作業が単調なのか3分の1ほどで、「もうしんどーい」と飽きたようです。しばらくアトリエ内をウロウロしたり、おしゃべりしたりしてリフレッシュして、後半がんばって仕上げました。りょうきくんは終わり際、小さな木のとげが指に刺さってしまいました。針を火であぶり、とげを取ろうとしたら、恐がって、「やだ、やだー」というので、様子を見ながら、指や、他の道具で、試みましたが、なかなか取れません。ようやく、針を使わせてくれたので、取れました。なおきくんは輪ゴムをかけて不思議な迷路を作っては見せに来てくれて、たくさんお話してくれました。りょうくんは、黙々とくぎを打ち続けていましたが、半分ほど打ったところで「疲れた・・・」というので、自由工作をして、気分転換をしました。再度くぎ打ちを始め、しっかりと一人で最後まで作業できました。輪ゴムかけはシンメトリー表現で絵を描くので「すごいね」というと、様々な絵を作り出していました。りょうたろうくんは、先週課題をしたので、自由工作をしたいといい、版画用のタンポを見つけてそこからイメージを広げて、鬼のオブジェを作りました。後半は、小さな木切れを釘で組み合わせて飛行機を作りました。振り替え出席のそうたくんもくぎ打ちは気に入ったと見えて、丁寧に打っていました。迷路のコースを輪ゴムで工夫して考えながら作っていました。後半はりょうたろう君と一緒に木切れ工作をしました。ともやくんはヒヤシンスの絵をまだ描いていなかったので、それからしました。絵の具で花の色を上手に作り出し、球根、葉を描きました。根は黒色で表現していたのでその色でいいの?と聞くと、「いいの」ということでした。課題の工作も学校でくぎを打ったことがあると言って、上手に打っていました。輪ゴムも工夫して、かけていました。振り替え出席のすみれちゃんは、体験で参加していた、男の子に優しくお話したり、面倒を見てくれたりしていました。自分の作品も少しずつくぎを打って完成させました。たいちくんは、くぎ打ちは好きで、懸命に打っていました。すみれちゃんや、ともやくんとも和やかにおしゃべりもしながら進めました。輪ゴムもたくさんの色があるのでかけ方を考えながら作りました。体験の方一名いました。
10日(金)
今日は振り替えや欠席の子が多く3人だけのアトリエでした。えりちゃんは幼稚園でかなづちを使ったことがあるそうで、結構パワーもあり上手に釘を打っていました。輪ゴムをかけて、後半、課題の思い出の絵を描きました。マラソン大会のことを絵の具で描きました。きれいな色で、画面いっぱいに表現しました。少し残った時間で、折り紙でウサギを作ったり、お父さんお母さんを折り紙に描いたカードなど作りました。ゆうきちゃんはキリで穴をあけたり、くぎを打ったりと積極的に制作していました。お友達の様子もしっかりと見ていて、いろんなことを吸収しながら、自分の活動もしているといった感じです。輪ゴムかけの見本は、迷路タイプとお絵かきタイプの2種類を用意してあったのですが、ゆうきちゃんは見本どおりにしようという気持ちが強く、また、2種類ともやりたくて、ひとつの板に、かけていました。作業はゆっくりですがゆうきちゃんの個性なので、長所と捉えて、丁寧に作業ができることをおうちでもほめてあげてださい。まさとしくんは新しい絵の具セットが嬉しかったのでしょう、「絵を描く」と張り切って用意をしました。「一年間で楽しかったことを描こうね」と説明すると、「サッカーが好き。習ってるよ。でもお母さんやお兄ちゃんとキャッチボールもするよ。だけど学校ではドッジボールを友達とするんだよ・・・」と言葉が次から次と溢れてきます。そして、白い画用紙の中央に、まず描いたのは文字でした。『一年間でたのしかったこと』と大きく書き、『ドッジボールをしたのが楽しかった』と下半分が文字で埋められました。子どもの絵の表現は言葉そのもの、ともいわれていますが、ストレートにきたので、「じゃあ今度は絵を描いてみようか。もう一枚、紙、新しいのいる?」と聞くと「ううん、これでいいの。この上に描くの」というので、言葉と絵が一体になった作品だと理解します。たくさん出した色の中から、青と黄色を混ぜた色1色で描き、「おしまい」というので、髪の毛はどんな形だったの?服はどんな色だった?などと対話しながら、描き込んでいけるようにもっていきました。描きながらこれだけお話できるのはすごいことです。逆に言うと言葉が先行するので、描くのが追いつかないともいえます。色に対する興味もあり、混ぜては変化する色を楽しんでいました。後半は釘打ちもしました。上手に道具を使いこなしています。途中疲れて、お茶を飲んで休憩しました。輪ゴムかけはオリジナル迷路を作って楽しんでいました。自分で工夫することが好きですね。
11日(土)
りゅういちくんは前回、自由工作でくぎを打ったのですが、好きなので、課題のくぎ打ちをしました。迷路のコースも工夫して、輪ゴムをかけていました。後半、「絵を描こうよ」と、誘ったのですが「えー、いやだなー」と抵抗があるようです。それで、お話だけでもしようよと、こちらからいろいろ聞いてみましたが、楽しい事なんかなかったもん・・・(と、こういうセリフは絵を描きたくない子は大抵、顔はニコニコしたまま、いうのです)ということなので、話題をいろいろ変え、学校の休み時間はなにして遊ぶのが好き?と聞くと「ドッジボール」と答えてくれて、その様子を話してくれたので、それを絵に表現することにしました。具象を描くのはいやだというので、上から見た抽象表現にしました。ひろゆきくん、ほのかちゃんはおしゃべりも楽しみながら、釘を打ち、迷路を作りました。後半こうき(上)君も加わり、遊び方を工夫して盛り上がっていました。だいき(上)君はくぎ打ちが途中でしんどくなって、下まで打ちつけてしまったりしたので、キリで穴を開けてあげて作業が楽になるようにしました。すると、また、元気に続けて、おしゃべりも饒舌になり、周りのお友達を何度も笑わせていました。次から次と出てくる下ネタ系のお話は子どものツボにはまるようでした。こうき(浦)くんは「お父さんに木をもらってビスを器械で打ったことがある」とお話ししてくれました。釘打ちは上手です。半分ほど打って疲れたので、途中からキリで穴をあけ、打つようにしました。根気よく作業をしました。輪ゴムかけもおもしろいゲームになるように考えました。かのんちゃんは絵を描きました。テーマに興味はないようで、4階建てのおうちに、家族が住んでいる様子を描きました。各部屋に一人ずつを描いていました。絵はしっかりと描けていて、色使いもきれいです。失敗したという人は、家族じゃない別の人ということにして、どんどん描き進めました。とってもニコニコ顔で、おしゃべりもよくしてくれるのですが、この人は何してるの?と、絵について聞くと、「何にもしてないの」とおはなしが続かないので、また、おうちで会話してみてください。そのあと、みんなの様子をみて、「くぎ打つ!」と始めました。キリで穴を開けてから打ちました。結構早くできたので、残った時間で自由工作をしました。空き箱を組み合わせて窓付き、扉つきの家を作りました。ひとみちゃん(Y)は工作からしました。釘打ちは丁寧に、上手に打っていました。後半は課題の絵を描きました。思い出として、「雪が降った日のこと」を描きました。画材はマーカーで線描きをして、雪を白のクレヨンで塗ったあと、水彩絵の具で背景を描きました。幻想的できれいな画面です。雪遊びの様子も楽しそうですね。たいよう君も工作からしました。釘を半分まで打ったところで「腕が疲れたー」というのでちょっと休憩して、キリで穴を開けてから打ちました。輪ゴムでコースを考えたり、ゲーム板に色を塗ったりと工夫していました。最後に絵も描きました。先に描いていた、ひとみ(Y)ちゃんに触発されてか「雪遊び」の絵にしました。絵の具が好きということで、雪だけクレヨンを使った水彩画にしました。雪玉を持った自分を大きく表現しました。元気な絵になりました。
【3月後半の課題】
「イメージを膨らませる」ことを課題とし、絵画は上部は冬のイメージで、扉を開くと下から春のイメージの絵が出てくるという仕掛け絵本のようなものを描きます。工作は簡単アニメーションです。表と裏に絵を描いて、くるくる高速回転させて、ひとつの絵になるというものです。完成後の絵を想定して、二つに分解して表と裏に描きます。ポイントは裏の絵は表と上下さかさまにして貼ることです。自由な発想でどんなものが出てくるか楽しみです。
15日(水)
転んだということで顔に大きな青あざをつくってやってきたゆりこちゃんにびっくりしました。でもいたって元気で工作の課題に興味を示して、「何にしようかなー」とゆうりちゃんと並んで作りました。ふたりとも、最初は絵が変わる原理が理解できていませんでしたが繰り返し説明して納得がいったようでした。一つ目は表がウサギで裏が花畑とし、花園の中のウサギにしました。二つ目は表はたまごっちのキャラクターのメイドさん、裏に掃除機を描いて、掃除をするメイドさんにしていました。ゆうりちゃんは一つ目はオリジナルのキャラクターで、二つ目はたまごっちのキャラクターの中から選んで作りました。ふたつとも付属物がついて、変化するというアイデアで作っていました。アイデアを練るのに、時間をかけていました。ともひろくんはべそをかいてやってきて、ちょっとご機嫌斜めでした。おうちへ帰りたそうなそぶりでしたの、しばらくだっこして話しかけていたら、そのうち落ち着いてきました。ともひろ君用にキープしているペットボトルジュースを出すと、新しく水を入れ替えて作り始めました。色が変わるたびにお友達も反応してくれて、楽しくなってきたようです。メロンソーダの色から濁ってきたので、温泉の色みたい、ということになり、温泉作りをしました。紙を加工して、湯船を作り、テープで貼り、そこに作った温泉水を入れるときは二マーと笑顔を作り、嬉しそうでした。後半は絵の課題をしたいといい、冬のイメージで、雪だるまを描き、春のイメージで、木と大好きな虫たちを描きました。ひかるちゃんは絵の課題をしました。冬のイメージは雪景色と雪だるまをイメージして描き、春のイメージは明るい風景画を描きました。振り替え出席のかあまちゃんは工作からしました。雪だるまをモチーフにしました。そのあと、絵の課題もしました。冬のイメージは雪だるま、春のイメージは伸びやかに春の妖精などファンタジーの世界を描きました。ひかるちゃんと、かあまちゃんは季節の扉を作るため、カッターナイフの使い方も練習しました。こうすけくんは工作を選択して、表に四角、裏にお花を描き、四角の中に花が納まるようにしました。うまくはまり、喜んでいました。後半は自由工作で水鉄砲作りをしました。ひでのりくんは工作の課題で、表が1兆円、裏がマイナス表示の四角を描き、大金持ちが借金するというアイデアをだして作っていました。後半はダンボールや卵パックなどを使いアスレチック場をつくりました。男の子たちはやらせて!やらせて!と順番に飛んでいました。その後こうすけくんと一緒に水鉄砲作りにはまりびしょぬれになりながらも様々なアイデアを二人で出し合い作っていました。自由工作はふたりとも本当に好きなようで活力に溢れています。振り替え出席のりょうきくんはお部屋にはいってくると辺りを見て、「今日はなおきくんきてないの?」とききます。「そうだよ」というと「しんごくんは?」「しんごくんもお休みなのよ」というと「えー、つまんない」といって、窓際に腰掛けてしばらく、おうちから持ってきたゲームで遊んでいました。「そろそろやろうよ」と声をかけても課題はいやだといい「ビー玉頂戴」と言います。「何を作るの?ビー玉のゲーム?」と聞くと「ビー玉をくれたら何を作るか考えてあげてもいい」というので、何を作るか少し考えてみてねと話しました。「ビー玉くれないとなんにも考えてあげない」というので、しばらく様子を見ることにしました。そのうち、こうすけくんとひでのりくんの様子がおもしろいと感じたのか、アスレチックに参加し、水鉄砲作りにも興味がわいたみたいです。でも同じものは作らず、容器にビーズや、アルミフィルムをいれ、水の中央に浮遊させたいと言います。それで、くぎを刺してみたり、針金を取り付けたりして重さの調節をして、さながら実験のようになりました。最後は持って帰るために、ふたのできるペットボトルに入れ替えました。課題は無理にしなくてもよいのですが、せっかくの時間がもったいないので、何をしたいか考えてから来ましょう。特殊な材料は持ってきてくださいね。
22日(水2,4)
かあまちゃんは前回の続きで冬と春のイメージ画を描きました。ともやくんと意気投合して、お話がどんどん変化して、ともやくんも絵に描き込み、さながら共同作業になりました。二人とも発想がユニークで、コロコロと笑いながら、楽しそうに描いていました。絵も生き生きと躍動感に溢れたものになっていきました。かあまちゃんは残りの時間でまだやっていなかった、毛糸の鎖編みをしました。編み方はすぐに覚えました。レターラックを作りました。ともやくんは工作をしました。最終的な絵を考え、分解して描くということが最初は飲み込めなかった様で何回か描き直して作りました。残りの時間でかあまちゃんと一緒に指編みで鎖編みをしました。続きはまた今度します。振り替え出席のかおるくんはイメージ画を描きました。今日はお母さんとお話しながら描きました。体験の方が2名いました。
今日はとても人数が少なかったので、子どもの造形表現活動について、少し書きます。
こどもの造形表現活動は叙述性(絵にこめられたおはなし)、伝達性(仲間と響き合う力)に力をおいています。大人からみて、具象がしっかり描けていなくても、それを非難したり、否定せずに、まず、すべてを受け入れ、子どもの心に寄り添うことが重要です。それにより、自分を受け入れてくれるという安心感の中で、心が丈夫に健やかに成長します。自分の気持ちを仲間に投げかけることで、キャッチボールが生まれ、一人で描く以上に物事の見え方、感じ方の幅が広がります。具象は、観察活動を続ける中で、徐々に、年齢が上がるとともに描ける様になります。子ども時代は技術以前に大事なことがあります。
子どもは模倣をよくします。それは肯定的に受け止めてよいものです。仲間の作品がいいと感じると自分もまねしたくなる。感動をもって、まねをすることは、成長につながります。はいはいも、あんよも、言葉をしゃべることもすべて周りを観察して、真似をして獲得しているのです。
表現するとは積極的に生きることです。自分の頭で考え、行動し、結果の責任を自分で引き受ける。これらの生きる基礎を造形活動の中で体験します。こどもは大人からほめてもらいたいし、認めてもらいたいと思っています。でも、大人に気にいられることに心を奪われると、自分を見失い、生きていく中で失敗をすると他人のせいにして、結果を自分で引き受けられなくなります。他人の目から見て、どうであれ、自分の納得のいく生き方は幸せだと思います。自分の感性を肯定できると自分の絵に自信を持って描ききることができるのです。技術は後からついてきます。こどもが満足して描いたものを、大人から見て満足できないということが伝わると、自信を失います。さらに、手直ししたり、非難されたりすると、表現すること自体に興味を失います。絵をなかなか描いてこなくて、それを不満に思うときは、「来月は、おかあさんの誕生日だからプレゼントに絵がほしいなあ」「玄関に飾る絵を一枚描いてきてほしいな」など、描くことが喜びにつながるような言葉掛けをされるのがよいと思います。絵は自分の心の表現といわれますが、他人のために描く、作るということも、素敵な行為で、心を育てる要素のひとつです。
大人の役割は、子どもの感性が伸びやかに育っていけるよう、心に寄り添い、共感することです。自然の美しさ、恐さ、不思議さに直接体験できるような機会を是非家庭では持ってほしいと願っています。こどもがイメージ豊かによく遊び、思いを言葉でも絵でもよくお話ができるよう、親子で感動を共有し、心と心を通わせてください。
24日(金)
まほちゃんは工作をしました。「女の子が網で蝶々を捕まえる」という絵にしました。貼るときに少しずれたようで、蝶々は網に1匹しか入りませんでした。絵の分解の理屈が分からなかったようですが、作りながら納得がだんだんいったようでした。ちほちゃんはイメージ画を書きました。クレヨンや色鉛筆などを使い優しい色使いの絵になりました。少し時間があったので工作にも誘って見ましたが作りはしませんでした。でも、興味はあったようで、まほちゃんと一緒に見本や、まほちゃんの作品で遊びました。すみれちゃんはイメージ画を描きました。カラーペンで描き、カラフルでポップな絵になりました。工作では、ウサギと帽子を描いて、「帽子をかぶるウサギ」にしました。うまくかぶせることができました。かなたくんは、イメージ画を描きました。木枯らしに飛ばされる帽子などおもしろいアイデアです。最初に糊付けの部分を想定し忘れたにので、絵がずいぶん切れてしまいました。後で微調整をしました。まきちゃんはイメージ画から描きました。雪を結晶模様にするなど独特の感性で描かれ工作は、「花に水をやるウサギ」で一枚は花とウサギの絵、もう一枚はじょうろと水を描きました。まわすとうまく、女の子がじょうろを持ち水をやっていました。たいちくんは工作で木に止まる虫を作りました。木とムシに分解しました。うまく木に登ってくれました。イメージ画も描きました。繊細な雪の絵と、春の世界を描きました。だいきくん(H)は工作からしました。「虫かごに入るトカゲ」を虫かごとトカゲに分けて描きました。アイデアを一生懸命ひねっていました。えりちゃんは絵の具の使い方がうまく、冬のイメージ、春のイメージやさしいが描けています。まさとしくんは絵の具が大好きで今日も使いました。冬のイメージでは雪の中で火事が起きている様子を描きました。春のイメージも抽象的に表現しました。後半は工作もしました。マンティーが雷の中にいる絵にして分解し描きました。分解する意味が分からず、ドウシテ、全部描いちゃいけないの???と半信半疑で作っていました。最後にできてまわすとようやく「そうか」と理解していました。かおるくんはだいすきな絵の具で絵を描きました。「何を描くの」と聞いても、「わからない。てきとー」と言います。お話をして見立て遊びをしているうちに、かおるくん、ひかるちゃん、ゆうりちゃんの3人で蜂蜜取りに来たところ、ということにお話が展開しました。蜂蜜を入れる壷も描きました。人物はまだ頭だけの表現ですが、対話の中から、体、手を描くように促しました。残りの時間、「もうすることない、なんにもしないよー」といっていましたが、しばらくして「せんせいーきてー」と声がするので行って見ると、水入れバケツをきれいに並べて塔のようにしていました。自分でも美しくつみあがったと感じたのでしょう、満面の笑みで「ほらすごいでしょう」と体全部で表現していました。
25日(土)
りゅういちくんは工作からしました。殴るをテーマに描きました。原理がすぐに理解できたので、スムーズに作ることができました。うまく殴られるシーンができました。後半は絵を描きました。色鉛筆でパステルカラーの冬の景色と春の景色を描きました。今日で最後ということを意識してか、いつもより丁寧に心を込めて描いたのが伝わってきます。ひろゆきくんは魚をテーマに工作をしました。セリフが出るという構想をしたので、ズレの心配はあまりなく丁寧に作ることができました。こうき(浦)くんは生き物が生まれるところを想定して描きました。ひとつの絵を二つに分けるために写す時、「見えにくいから光を通したい」と言います。以前そうしたことを覚えていたようです。それで窓に絵を貼って透かして写しました。片面に卵、反対側に生き物を描きました。色も丁寧に塗っていました。穴をあけたり、輪ゴムを通したり、簡単なようで、一人でしようとすると、結構難しい工作です。ほのかちゃんは工作からしました。シャボン玉を吹くという難しいシーンでしたがうまく吹いているようにできました。後半はイメージ画で、冬では光る雪や、春では桜など、ポスカラマーカーで、描いていました。ひとみ(Y)ちゃんは絵を分解する意味が最初は飲み込めなったようですが、そのうち理解できて、小鳥が歌を歌うシーンを作りました。はっきりした色でよく分かります。後半はイメージ画を描きました。それぞれの季節の風景を感じながら描けました。かのんちゃんはイメージ画から描きました。雪だるまや、春のシーンを考えながら丁寧に描いていました。工作はウサギとかごを表、裏に書きました。最初に下書き用のひとつの絵を描くということができず「なんで、なんで」と何回も聞いていました。たいようくんは最後に見えるひとつの絵を想定して、まず下書き用に描き、それを二つに分けて清書するというのがなかなか理解できず、何度か描き直しました。納得しないと次に進めないようで、何度も繰り返し、お友達の作っている最中のものなど見せながら説明しました。鳥が飛び立つシーンを描きたかったようですが難しいので、うまく行かず、最終的に鳥をテーマにして、虫を食べるというシーンを作りました。時間があまりありませんでしたが、絵画の課題もしました。絵を描くのが大好きで、熱心に納得のいくまで描いていました。イメージをしっかりと持っていて、それぞれの形もしっかりと描けています。こうきくん(上)は工作の本を見て飛ぶふねを作りました、細かい作業ですが、上手に作っていました。だいき(U)くんは課題はいやと言って何をするのか考える時間が長くなってしまいました。河童のお皿を作りかけて、結局毛糸で顔を描きお面にしました。毛糸をセロテープで貼り、顔にはめようとしていましたが、すぐにはがれて取れてしまっていたので、錐で穴をあけ輪ゴムを通す方法を伝えました。振り替え出席のそうたくんはお城をテーマに工作をしました。片面が石垣だけ、反対にお城の上部を描き、合体するというものです。うまく、お城になりました残りの時間で自由工作をしました。時間がかかるものを選んだので、途中まで作り、次回続きをします。りょうたろうくんはトラが肉を食べるシーンを作りました。アイデアを練るのに時間をかけました。残りの時間で自由工作で、ロープウエーや、傘を作っていました。
|
|
[ こども図画工作教室 ] |
 |

■会費制の通信講座です。 |
< デッサン・油絵・水彩画 >
全国どこからでも参加できます。
[ Click
] |
|
|